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感情 | 読了まで約8分

仕事が不安で仕方ない時に試したい5つの考え方

仕事が不安で仕方ない時に試したい5つの考え方
目次

「明日の仕事、ちゃんとできるかな…」「このプロジェクト、失敗したらどうしよう…」——そんな不安が頭から離れない夜、ありませんか?

厚生労働省の「労働安全衛生調査」によれば、現在の仕事や職業生活に関して強いストレスを感じている労働者の割合は約82.2%にものぼります。仕事に対する不安は、責任感が強く真面目な人ほど感じやすいもの。それはあなたが仕事に真剣に向き合っている証拠でもありますね。

この記事では、仕事の不安に押しつぶされそうなときに試してほしい5つの考え方を、心理学の知見をもとにお伝えします。少しでも心が軽くなるヒントになれば嬉しいです。

なぜ仕事の不安は膞らみやすいのか

ノルアドレナリンと「行動サイクル」の仕組み

私たちの脳は、危険や不確実な状況に対してノルアドレナリンという神経伝達物質を分泌します。これは「行動して危険を回避しなさい」という脳からのサインなのですね。ノルアドレナリンは行動によって消費されるので、何もしないままだと体内に残り続け、不安がどんどん膞らんでいくという悪循環に陥りやすくなります。

「回避行動」が不安を強化する

不安を避けようとして仕事を先延ばしにすると、一時的には気持ちが楽になります。しかし心理学では、回避行動は長期的に不安を強化してしまうことが知られています(Borkovecらの研究)。「避ければ避けるほど、不安は大きくなる」のは残念ながら本当なのですね。これを「不安のネガティブ強化」と呼びます。

未来想像に心が引っ張られやすい

ペンシルベニア大学の研究によると、心配事の約79%は実際には起こらないとされています。さらに残りの21%のうち、大半は「心配していたよりうまく対処できた」と報告されています。つまり約95%の心配は取り越し苦労に近いのです。ということは分かっても、脳はベースラインで「危険を検知しやすくてきている」ことを覚えておくだけでも、メタ認知的に不安を収めるヒントになりますよ。

心が軽くなる5つの考え方

1. 不安を「書き出して」見える化する

頭の中でぐるぐる考えているだけでは、不安はどんどん膞らんでいきます。まずは不安に思っていることを紙に書き出してみましょう

テキサス大学のペネベーカー教授の研究では、1日15分、10〜20日間「深く悩んでいることを自由に書く」(エクスプレッシブ・ライティング)だけでストレスホルモンのコルチゾール濃度が低下し、免疫功能まで改善したという報告があります。

書き出すことで、漠然とした不安が「具体的な問題」に変わります。「何が心配なのか」が明確になると、対処法も見えてきやすくなりますよね。

2. 「事実」と「想像」を分けて考える

不安を感じているとき、私たちはまだ起きていない最悪の未来を想像しがちです。「失敗したら評価が下がる」「みんなに迷惑をかけてしまう」など、頭の中でストーリーが勝手に進んでいきますよね。

認知行動療法(CBT)では、この歪みを「認知の歪み」と呼びます。特に破局化(最悪ケースを想定)結論の飛躍(根拠なくネガティブに断定)は仕事の不安で起こりやすいパターンです。

「明日プレゼンがある」は事実ですが、「きっと失敗する」は想像にすぎません。想像を事実のように感じてしまうのが不安の特徴ですが、この二つを意識的に分けるだけで、心の負担はずいぶん軽くなります。

3. 「コントロールできること」に集中する

仕事の不安の中には、自分ではどうにもできないことも含まれています。上司の評価、市場の変化、同僚の反応…これらは自分の力ではコントロールできませんよね。

古代ローマのストア哲学では「変えられないことは受け入れ、変えられることに集中する」と説きますが、現代心理学でもこの考え方はACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)の核として取り入れられています。

「資料をもう一度見直す」「質問されそうなポイントを整理する」など、自分がコントロールできることに集中すると、建設的な気持ちになれます。

4. 「小さな行動」を一つだけ起こす

不安なときこそ、小さな行動を一つだけ起こしてみましょう。心理学者デヴィッド・バーカムの研究によると、行動活性化療法(Behavioral Activation)はうつ病の改善に最も効果的な介入の一つとされています。

先ほどお伝えしたように、不安はノルアドレナリンによって生まれます。行動することでこのノルアドレナリンが消費され、不安は自然と和らいでいきます。大きなことをする必要はありません。メールを1通だけ返す、資料の見出しだけ考える、ToDoリストを作る…——「2分でできる何か」から始めるのがコツです。

5. 「不安があっても大丈夫」と認める

最後に、少し意外に思われるかもしれない考え方。それは、不安を無理に消そうとしないことです。

心理療法のACTでは、不安やネガティブな感情を「排除すべきもの」ではなく、「自然な反応」として受け入れることを大切にしています。これをアクセプタンス(受容)と呼びます。

「不安を感じている自分はダメだ」と思うと、不安の上にさらに自己否定が重なってしまいます。「不安を感じるのは当然のこと。それでも、自分にできることをやろう」と考えられると、心はずっと楽になりますね。

【要注意】こんな状態は専門家に相談を

以下のような状態が2週間以上続く場合は、不安障害や適応障害の可能性もあるため、専門家への相談をおすすめします:

  • 仕事のことを考えると動悸や志絶感が出る
  • 朝、体が重くて起きられない
  • 食欲不振、不眠が持続している
  • 気分の落ち込みが仕事以外にも広がっている
  • 「消えてしまいたい」と思うことがある

不安障害と普通の不安の違いもあわせてご確認ください。

仕事の不安に関するQ&A

Q1. 不安で眠れない夜はどうすればいい?

無理に寝ようとせず、ベッドから一度出て不安を紙8〜10分紙に書き出すのが効果的です。夜の不安対策については夜に将来が不安で眠れない方へも参考になります。

Q2. 職場の人間関係で不安を感じます。逃げてもいい?

ハラスメントやパワハラなど不当な扱いを受けている場合は、「逃げる」ことは正当な自己防衛です。総合労働相談コーナー(0570-000-911)で相談可能です。

Q3. 不安と付き合いながら集中力を高めるには?

ポモドーロ法(25分作業·5分休憩)や、今の作業に注意を戻すマインドフルネスが有効です。詳しくはマインドフルネス呼吸法をご覧ください。

AI感情分析日記「Lumie」で不安を見える化

不安を和らげるために「書き出す」ことが効果的だとお伝えしました。でも、「何を書けばいいかわからない」「続けられる自信がない」という方も多いのではないでしょうか。

そんなときに役立つのがAI感情分析日記アプリ「Lumie」です。その日の出来事や気持ちを自由に書くだけで、AIがあなたの感情を分析してくれます。自分では気づかなかった心の傾向や、不安が強まるパターンが見えてくることもありますね。「今日も書けた」という小さな達成感が自信につながり、不安と上手に付き合う力が少しずつ育っていきます。

専門家への相談もご検討ください

セルフケアを試しても改善が見られない場合や、日常生活に支障が出ている場合は、専門家への相談をおすすめします。

  • 心療内科・精神科:医師による診断と治療が受けられます
  • 臨床心理士・公認心理師:カウンセリングを通じた支援を受けられます
  • こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556):電話で相談できる公的窓口です
  • よりより電話相談:24時間対応の無料相談窓口

まとめ

仕事が不安で仕方ないとき、その気持ちを一人で抱え込む必要はありません。不安を書き出し、事実と想像を分け、コントロールできることに集中し、小さな行動を起こし、そして不安を認める。これらの考え方を少しずつ取り入れることで、不安に振り回されにくい心を育てていくことができます。

完璧に不安をなくす必要はないのです。不安を感じながらも、自分なりのペースで前に進んでいけたら、それで十分ですね。今夜、少しでも心穏やかに眠れますように。


参考文献・出典

  • 厚生労働省「みんなのメンタルヘルス」
  • 厚生労働省「令和元年 労働安全衛生調査(実態調査)」
  • Pennebaker, J.W., & Beall, S.K. (1986). 「Confronting a traumatic event: Toward an understanding of inhibition and disease.」 Journal of Abnormal Psychology, 95(3), 274-281.
  • Borkovec, T.D. et al. (1999). 「The nature, functions, and origins of worry.」 Worrying: Perspectives on theory, assessment and treatment.
  • Hayes, S.C. et al. (2006). 「Acceptance and Commitment Therapy: Model, processes and outcomes.」 Behaviour Research and Therapy, 44(1), 1-25.
  • 厚生労働省 eヘルスネット

この記事について
この記事は、Lumie編集部が公的機関の公表データおよび信頼性の高い文献を参照して作成しました。記載内容は一般的な情報提供を目的としており、医学的アドバイスや診断・治療の代替ではありません。心身の不調が続く場合は、医師やカウンセラーなどの専門家にご相談ください。

参考情報源

本記事は以下の公的機関・国際機関が公表する情報をもとに、Lumie編集部が作成しています。詳細は各リンク先の一次情報をご参照ください。

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