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夏になると、タイムラインが旅行や花火、友だちとの集まりの写真で埋まっていきます。楽しそうな投稿をスクロールしているうちに、なぜか気持ちがしぼんで、スマホを置いたあとにどっと疲れが残る。そんな夏はないでしょうか。
SNSを見て他人と比べて疲れてしまうのは、あなたの心が弱いからではありません。比べること自体は、人の心にもともと備わった自然な働きです。この記事では、夏の「比べ疲れ」をやわらげるために、SNSとの距離のとり方を今日から試せる習慣にして紹介します。読み終えたころに、ひとつでも持ち帰れるものがあればうれしいです。
SNSで「比べ疲れ」が起きる心の仕組み
結論から言うと、SNSでは相手の「いちばん良い瞬間」ばかりが並ぶため、自分の日常と比べると見劣りして感じやすくなります。これは編集や切り取りの効果で、あなたの現実が劣っているわけではありません。
人はもともと、自分の立ち位置を確かめるために周りと比べる習性を持っています。ふだんは役に立つこの働きも、だれかの華やかな場面が次々と流れてくるSNSでは、休むひまなく作動してしまいます。とくに20代から30代は、進路や人間関係の選択肢が多く、まわりと比べて焦りやすい時期かもしれません。世界保健機関(WHO)も、ニュースやメディアを見る時間がストレスを強めるなら、その時間を減らすことをすすめています(WHO「Stress」)。
だから、比べて落ち込むのは意志の弱さではありません。環境の側にも理由がある。そう知っておくだけで、肩の力は少し抜けていきます。
SNS比較疲れをやわらげる3つの習慣
ここからは、今日から試せる習慣を3つ紹介します。全部やろうとせず、合いそうなものをひとつだけ選んでください。
「見る前」に見る時間と相手を決める
まず効くのは、SNSを開く前にルールをひとつ決めておくことです。だらだら見続けるほど、比べる回数も増えていきます。
- 見る時間を「朝と夜の各10分」など先に決める
- 見ると気持ちが沈むアカウントを、ひとつだけミュートする
- 寝る前の30分は、アプリを開かない
これは、WHOがすすめる「ストレスを強めるメディアの時間を減らす」を、SNSに当てはめた形です。編集部でも、夏の投稿が増える時期に、通知を一部オフにして見る時間を決めてみたところ、スマホを置きやすくなりました。全部でなくてかまいません。ひとつ試すだけでも、心の消耗はいくらか減らせます。
「見たあと」に事実と演出を切り分ける
落ち込みが強い日は、投稿を「事実」と「演出」に分けてみます。楽しそうな一枚の裏には、写っていない準備や迷いが隠れている。
たとえば「友人が海外旅行に行った」という事実に対して、「それにくらべて自分は何もできていない」という続きは、頭が勝手に足した解釈です。事実と、心が付け足した物語を分けるだけで、比較のトゲは少しやわらぎます。
比べる相手を「昨日の自分」に変える
他人と比べる代わりに、比べる相手を「昨日や先週の自分」に置き換えてみます。人と競うのではなく、自分の変化に目を向ける方法です。
国立精神・神経医療研究センターの「こころの情報サイト」も、うまくいっていることや、できていることに目を向けるセルフケアをすすめています(こころの情報サイト)。寝る前に「今日できたこと」をひとつ書き出すだけでも、物差しは少しずつ自分の側に戻ってきます。
やりがちだけど逆効果になりやすいこと
よかれと思ってやったことが、かえって自分を追い込むこともあります。
ひとつは、「SNSを今日から完全にやめる」と極端な目標を立てること。反動で戻ったときに、自分を責める材料が増えてしまいます。減らす相手や時間を絞るほうが、無理なく続きます。
もうひとつは、比べてしまう自分を「心が狭い」と責めること。比較は自然な反応で、責めるほど気持ちは重くなります。「ああ、疲れたんだな」と気づけたら、それでいい。うまく自分をいたわれないときは、何もできない自分を責めてしまうときの考え方も、ヒントになります。
比較の疲れだけでなく、災害や事件のニュースを見て不安が積もるタイプの疲れには、ニュースとの距離のとり方をまとめています。
いまの自分を知り、書いてみる
比べぐせからやわらぐコツは、他人の物差しではなく、自分の物差しを持つことです。とはいえ、「自分がどんなことで消耗しやすいか」は、意外と自分では見えにくいものです。
入口として、3分でできる心のタイプ診断を置いておきます(無料・登録不要)。自分の感じ方のクセを知ると、SNSとの距離もとりやすくなります。
気持ちを言葉にする習慣も、助けになります。Lumieメンタルケアマガジンは、AI感情分析日記アプリ「Lumie」を提供するチームが運営するメディアです。「Lumie」は、その日の気持ちを書いて整理するきっかけとして使えます。「昨日の自分」と比べられる場所を、SNSの外にひとつ持っておくと、心はいくらか休まります。
よくある質問
SNSは見ないほうがいいの?
いいえ、無理にやめる必要はありません。見る時間や相手を少し絞るだけでも、疲れは減らせます。自分が心地よく使える距離を探すことが大切です。
他人と比べて落ち込むのは自己肯定感が低いから?
必ずしもそうとは限りません。比較は誰にでも起こる自然な反応です。落ち込みが長く続くときは、自分を責めず、休息や相談を検討してみてください。
どうしても比べて疲れてしまう時はどうすればいい?
まずSNSから少し離れ、深呼吸や短い散歩で体をゆるめてみてください。つらさが長く続く場合は、早めに専門家や相談窓口に頼ることも選択肢です。
まとめ
夏のSNSは、楽しさと同時に、比べ疲れも運んできます。最後に、要点を3つ。
- 比べて落ち込むのは意志の弱さではなく、環境にも理由がある
- 見る前に時間と相手を決め、見たあとは事実と演出を分ける
- 比べる相手を「昨日の自分」に変え、自分の物差しを取り戻す
うまくできる日も、できない日もあると思います。それでも、疲れに気づいて少し距離をとれたなら、それで十分です。続けられそうなものを、ひとつだけ持ち帰ってください。
※本記事は情報提供を目的とし、医学的な診断・治療に代わるものではありません。
基礎情報・相談先
以下は記事固有の出典ではなく、こころの健康について確認できる公的な基礎情報と相談窓口です。
つらいときの相談窓口
- こころの健康相談統一ダイヤル 0570-064-556
- よりそいホットライン(24時間) 0120-279-338
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、医学的なアドバイスや診断、治療の代替となるものではありません。心身の不調が続く場合や深刻な悩みがある場合は、医師やカウンセラーなどの専門家にご相談ください。
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