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感情 | 読了まで約5分

職場の電話に出るのが怖い|それは慣れの問題ではありません

職場の電話に出るのが怖い|それは慣れの問題ではありません
目次

デスクの電話が鳴る。数コール待っても誰も取らないと分かってから、受話器を上げる。用件の途中で保留にしてメモ用紙を探し、戻ったときには相手の会社名があいまいになっている。声はいつもどおり出ていたのに、切ったあとは手のひらが湿っている。仕事の電話がつらいのは、性格が弱いからでも、経験が足りないからでもありません。電話という手段そのものに、ほかの連絡方法にはない条件が重なっています。

電話だけが特別にしんどい理由

メールやチャットは平気なのに電話だけ身構える。この差は手段ごとの条件の違いから生まれます。

  • やり直しがきかない。読み返せる文章と違い、口に出した言葉はその場で確定します。
  • 準備が効かない。誰から何の用件でかかるかは、受話器を上げるまで分かりません。想定のない場面で身構えるのは自然です。
  • 相手の反応が見えない。手がかりは声だけ。数秒の沈黙が不機嫌に、早口が苛立ちに聞こえてしまう。

世界保健機関(WHO)は社交不安症を、拒絶されたり恥ずかしい思いをしたりするかもしれない社交場面への強い恐れと心配と説明しています。同じ資料では、不安症に共通して見られる反応として動悸や発汗、震えが挙げられています(WHO「Anxiety disorders」)。電話の苦手さがそのまま特定の診断に結びつくわけではなく、「電話恐怖症」も診断名ではありません。

出る前|考える時間を短くする

鳴ってから受話器を取るまでの数秒は、頭の中で最悪の展開が組み上がる時間です。縮めるには、その場で判断する項目を先に減らします。国立精神・神経医療研究センターの「こころの情報サイト」も、セルフケアの一例にゆっくりした腹式呼吸を挙げています。

  1. よく使う応答を3行だけ紙に書き、電話機の横に置く。
  2. 最初の一言を固定する。「お電話ありがとうございます、〇〇部の△△です」までは毎回同じに。
  3. 受話器を上げる直前に、吸うより長く息を吐く。
  4. メモ用紙とペンは利き手側に置きっぱなしにする。

数をこなせば慣れる、とは考えません。準備のないまま件数だけ増やすと、うまくいかなかった記憶も同じだけ積み上がるからです。

話している最中|聞き取りに集中する

通話中にやることを一つに絞るなら、完璧な処理ではなく聞き取りです。ほとんどの電話は、誰から、何の件で、どこへ戻すか。この3点が残れば足ります。聞こえた言葉をそのまま書き、整理はあとに回します。

詰まったときの言葉を決めておけば、沈黙は怖くなくなります。「確認して折り返します」は正確さを優先した判断で、逃げではありません。「少々お待ちください」と言えば、間はこちらのものになる。聞き返すときは「恐れ入ります、もう一度お願いできますか」で十分です。

淡々とした応対は不機嫌の証拠とは限らず、単に急いでいるだけのことも多い。声から気持ちを推し量る癖は職場での感情コントロールでも扱っています。

切ったあと|再生を止める

「あの言い方でよかったのか」と同じ場面を再生し続ける状態は反芻思考と呼ばれ、頭の中で回しているかぎり区切りは来ません。止め方は反芻思考のやめ方へ。

電話に限れば、通話後の30秒だけ手を動かす方法があります。対応した事実を1行残し、感想は書かない。直したい点は1つに絞り、次回の型に足す。再生が始まったら、席を立って体を先に動かします。

電話のあとに残るものが緊張なのか、申し訳なさなのか、評価への不安なのかは、自分でも見分けにくい。切り分けの入口に、3分で答えられる心のバランスチェックを置いています。費用も会員登録もいりません。

電話の多い日と少ない日で、一日の終わりの気分は違うのか。1行の記録を2週間並べると、その差は形になります。AI感情分析日記アプリ「Lumie」もその用途に使えます。

※Lumieメンタルケアマガジンは、AI感情分析日記アプリ「Lumie」を提供するチームが運営するメディアです。

よくある質問

電話恐怖症は正式な病名ですか?

診断名ではありません。強い苦手意識を指す通称で、背景にあるものは人によって違います。

メモを見ながら電話に出ても失礼になりませんか?

相手からは見えない準備です。よく使う応答を手元に置くと、聞き漏らしも言葉に詰まる時間も減ります。

「確認して折り返します」ばかりで評価が下がりませんか?

その場で答えられない件を調べてから返すのは通常の業務手順です。折り返す時刻の目安を添えておくと親切です。

電話が苦手だと職場に伝えても問題ありませんか?

苦手だと述べるより、「込み入った件はチャットで受けたい」と運用の希望として伝えるほうが通りやすいこともあります。

まとめ

電話の怖さは根性の量や場数で片づく話ではありません。取り消せない、準備できない、反応が見えないという条件が重なっているだけです。だから鳴る前は判断を減らし、最中は聞き取りに絞り、切ったあとは再生を止める。3つを同じ手で押さえてもかみ合いません。

怖さがすぐ消えるとは限りませんが、怖いまま扱える形はつくれます。まずは電話機の横のメモ一枚から。支障が続くときは、こころの情報サイトが案内する保健所や精神保健福祉センターもあります。不安全般は不安との付き合い方 完全ガイドへ。

※本記事は情報提供を目的とし、医学的な診断・治療に代わるものではありません。気になる状態が続くときは、医療機関や公的な相談窓口にご相談ください。

本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、医学的なアドバイスや診断、治療の代替となるものではありません。心身の不調が続く場合や深刻な悩みがある場合は、医師やカウンセラーなどの専門家にご相談ください。

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感情をうまく扱えない自分にさよなら。

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